MENU

屋根塗装の3回塗りは本当?建築士が工程と手抜きを解説

屋根塗装の見積もりには、当たり前のように「3回塗り」と書かれています。しかし、実際に3回塗られたかどうかを、あなたは自分の目で確認できるでしょうか。塗装は仕上がると下の塗膜が完全に隠れてしまうため、リフォーム工事のなかでも最も手抜きが起こりやすい工事のひとつです。この記事では、一級建築士が「3回塗り」の本当の意味と、手抜きを見抜く具体的な方法をお伝えします。

目次

そもそも「3回塗り」とは何か

屋根塗装の3回塗り工程を建築士が解説

屋根塗装の基本工程は「下塗り・中塗り・上塗り」の3回で構成されます。まず下塗りは、シーラーやプライマーと呼ばれる接着剤の役割を果たす塗料で、屋根材と上塗り塗料をしっかり密着させるための土台です。ここを省くと、いくら良い塗料を上に塗っても数年で剥がれてしまいます。続く中塗りと上塗りは同じ塗料を重ね塗りする工程で、色をムラなく均一にし、必要な塗膜の厚み(膜厚)を確保する目的があります。つまり3回塗りは「見た目」ではなく「耐久性」を担保するために存在する工程なのです。

なぜ3回塗らないと意味がないのか

塗料の耐用年数は、実は塗膜の厚みでほぼ決まります。塗料メーカーは製品ごとに「1平方メートルあたり何グラム塗る」という標準使用量を定めており、これを守って初めてカタログ通りの寿命(例:10〜15年)が発揮されます。中塗りや上塗りを1回省いて2回で済ませると、膜厚が不足し、本来10年もつはずの塗装が数年で色あせ・チョーキングを起こします。下塗りを省けば密着不良で塗膜が剥離します。見た目は塗りたてなら区別がつきませんが、数年後に必ず差が出ます。安い見積もりの裏で工程が削られていないか、必ず疑う視点を持ってください。

「3回塗り」の手抜きを見抜く3つの方法

消費者が自分で確認できる方法は主に3つあります。第一に工程写真の提出を契約前に約束させること。下塗り・中塗り・上塗りそれぞれの日付入り写真を求めれば、誠実な業者は快く応じます。第二に塗料の缶と使用量の確認です。使用した塗料の缶を残してもらい、缶数×1缶の塗布可能面積が、実際の屋根面積とおおむね一致するか逆算すれば、塗り回数の目安がわかります。第三に見積書・契約書に塗料名と塗布量を明記させること。「屋根塗装 一式」ではなく、メーカー名・製品名・希釈率・塗り回数まで書かせれば、手抜きの余地は大きく減ります。

「2回塗り」でも正当なケースはあるか

例外的に、一部の特殊な高機能塗料や、下地の状態が非常に良い場合に工程が変わることはあります。しかしそれはメーカーの仕様書に基づく判断であり、業者が「うちは2回で十分」と口頭で言うのとは全く別物です。判断の根拠がメーカー仕様書にあるかを確認しましょう。逆に、相場より極端に安い見積もりで工程の説明が曖昧な場合は、単純な手抜きを疑うべきです。価格の安さは、多くの場合どこかの工程を削った結果だからです。

まとめ

屋根塗装の「3回塗り」は装飾ではなく、塗膜の厚みと密着を確保して耐久性を担保するための必須工程です。仕上がると見えなくなるからこそ、工程写真・塗料の使用量・契約書への明記という3つの確認を徹底してください。それだけで手抜き工事に遭うリスクは大きく下がります。

本間屋では一級建築士が非営利で屋根・外壁の相談に乗っています。業者の見積もりが適正か分からない、どこに頼めばいいか迷っている方は、お気軽にご相談ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次