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屋根の葺き替え・カバー・塗装の違い|建築士が選び方を解説

「うちの屋根、そろそろ何かしないと」と思ったとき、最初にぶつかる壁が「塗装でいいのか、それとも葺き替えなのか」という疑問です。業者によって勧めてくる工法がバラバラで、不信感を抱く方も少なくありません。今回は一級建築士の立場から、3つの工法の違いと、あなたの屋根にとって何が正解かの見極め方を、忖度なしでお伝えします。

目次

そもそも屋根工事の3工法は何が違うのか

屋根の葺き替え・カバー・塗装の違い|建築士が選び方を解説

屋根のリフォームには大きく分けて「塗装」「カバー工法」「葺き替え」の3種類があります。塗装は既存の屋根材の表面を塗り直して防水性と見た目を回復させる方法で、費用は最も安く、30坪程度なら40〜70万円が目安です。カバー工法は既存の屋根の上に新しい金属屋根をかぶせる方法で、80〜150万円ほど。葺き替えは古い屋根材をすべて撤去して新しくする方法で、撤去・処分費がかかるため120〜250万円と最も高額になります。同じ「屋根を直す」でも、やっていることも金額もまったく違うのです。まずはこの3つが別物だと知ることが、業者の提案を読み解く第一歩になります。

工法選びは「屋根材」と「劣化の段階」で決まる

どの工法が正解かは、好みではなく屋根材の種類と劣化の進み具合で決まります。スレート(コロニアル)や金属屋根で、表面の色あせや軽いひび程度なら塗装で十分です。しかし下地である防水シート(ルーフィング)や野地板まで傷んでいる場合、表面を塗っても雨漏りは止まりません。この段階ではカバー工法か葺き替えが必要になります。さらに、雨漏りがすでに発生して野地板が腐っている、あるいはアスベストを含む古い屋根材で撤去費が膨らむ場合は、下地から作り直す葺き替えが妥当です。つまり「塗装で済むのに葺き替えを勧められた」なら過剰、「下地が腐っているのに塗装を勧められた」なら手抜き、という判断軸が見えてきます。

工法ごとの「寿命とコスト」を長い目で考える

塗装は一見安く見えますが、防水性能の寿命は使う塗料で7〜15年ほど。安価なシリコン塗料なら10年前後で再塗装が必要です。一方、カバー工法や葺き替えで使う金属屋根(ガルバリウム鋼板)は30年以上もつものもあり、回数で考えると割高に見えて生涯コストは逆転することもあります。「今いくら払うか」だけでなく「今後30年で何回手を入れるか」で比べると、見え方が変わります。築20年を超え、次のリフォームを最後にしたいと考える方ほど、塗装を繰り返すより一度しっかり下地から直す選択が合う場合もあるのです。

高い工法を勧められたときの見抜き方

注意したいのは、屋根の状態を正しく診断せずに高額な工法へ誘導するケースです。見極めのポイントは3つ。第一に「なぜその工法なのか」を屋根材名と劣化箇所まで具体的に説明できるか。第二に、屋根裏(野地板の裏側)や下地の状態を確認したうえでの提案か。表面の写真だけで葺き替えを勧める業者は、根拠が薄いと考えてよいでしょう。第三に、塗装・カバー・葺き替えそれぞれのメリットとデメリットを並べて比較してくれるか。一つの工法しか提示しない業者より、選択肢を示して判断材料をくれる業者のほうが、はるかに信頼できます。

まとめ

塗装・カバー工法・葺き替えは、費用も適した状況もまったく異なります。大切なのは「いくらか」より「自分の屋根の劣化段階に合っているか」です。屋根材の種類と下地の状態さえ押さえれば、業者の提案が適正か過剰かは自分でも判断できるようになります。

本間屋では一級建築士が非営利で屋根・外壁の相談に乗っています。業者の見積もりが適正か分からない、どこに頼めばいいか迷っている方は、お気軽にご相談ください。

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