「うちの屋根、大丈夫かな?」と気になっても、実際に屋根に登るのは危険です。しかし、地上からスマートフォンで撮影した写真だけでも、屋根の劣化サインはかなり読み取れます。一級建築士の本間が、プロが現場で実際にチェックしているポイントを、写真での確認方法に置き換えてお伝えします。
なぜ「写真判断」が重要なのか

屋根の点検といえば、業者に登ってもらうのが一般的です。しかし、ここに大きな落とし穴があります。訪問販売の業者が屋根に登り、わざと瓦をずらして「大変です、割れてますよ!」と写真を見せてくるケースが実際に報告されています。
つまり、業者に登らせる前に、まず自分で屋根の状態をある程度把握しておくことが、悪徳業者から身を守る第一歩なのです。スマートフォンのズーム機能を使えば、地上からでも屋根の状態は十分に確認できます。高所に登る危険も一切ありません。
写真で見るべき5つのチェックポイント
①色あせ・変色
屋根材の色が新築時と比べて明らかに薄くなっていたら、塗膜の劣化が進んでいるサインです。特にスレート(コロニアル)屋根は、色あせが始まると防水性能が落ち始めます。北面と南面を比較して撮影すると、劣化の進み具合の違いがよくわかります。
②コケ・藻の発生
屋根材の表面に緑色や黒色の汚れが広がっている場合、コケや藻が繁殖しています。これ自体は直接雨漏りの原因にはなりませんが、塗膜が劣化して屋根材が水分を吸い始めている証拠です。放置すると凍害(冬場に水分が凍って膨張し屋根材が割れる)につながることもあります。
③棟板金の浮き・釘の抜け
屋根の頂上部分にある金属の板(棟板金)が浮いていたり、固定している釘が飛び出ていたりしないか確認してください。望遠で撮影すると、板金と屋根材の間に隙間ができているのが見える場合があります。棟板金の不具合は、強風で板金が飛ばされる原因になり、そこから雨水が侵入します。
④屋根材のひび割れ・欠け
スレート屋根の場合、経年劣化でひび割れが発生します。写真では直線的な亀裂として写ることが多いです。1枚だけのひび割れなら部分補修で済みますが、複数箇所にわたっている場合は、屋根全体の寿命が近づいているサインです。
⑤雨樋の状態
雨樋は地上から最も確認しやすい部分です。樋が歪んでいないか、ジョイント部分が外れていないか、落ち葉やゴミが詰まっていないかをチェックしてください。雨樋の不具合は、壁面への雨水の流れ込みを引き起こし、外壁の劣化を加速させます。
写真撮影のコツ:プロが実践する方法
撮影は晴れた日の午前中がベストです。太陽光が屋根に当たることで、色あせやひび割れが写真にはっきり写ります。逆光になる面は時間帯を変えて撮り直してください。
家の四方から、屋根全体が写る「引き」の写真と、気になる部分をズームした「寄り」の写真をそれぞれ撮影します。最低でも8枚(各面×2枚)は撮っておくと、後から確認しやすくなります。
また、撮影日をメモしておき、半年〜1年ごとに同じ場所から撮影して比較すると、劣化の進行速度がわかります。これは業者に相談する際にも非常に有効な資料になります。「前回と比べてここが悪化している」と具体的に伝えられるからです。
まとめ:自分の目で確認することが最大の防御策
屋根の状態を自分で把握しておくことは、悪徳業者に騙されないための最大の武器になります。高い足場を組む前に、まずはスマホ1台で屋根の「健康診断」をしてみてください。今回紹介した5つのチェックポイントに該当する箇所があれば、信頼できる業者に写真を見せて相談することをおすすめします。
本間屋では一級建築士が非営利で屋根・外壁の相談に乗っています。業者の見積もりが適正か分からない、どこに頼めばいいか迷っている方は、お気軽にご相談ください。